リアルフォースのキートップ探してるけど、良いのがない!
せんみん氏のハンドメイドキートップは芸術的!
東プレ株式会社は、リアルフォースやHHKBという高額なキーボードで有名な会社である。
リアルフォースやHHKBは「静電容量無接点方式」と呼ばれる方式のキーを採用している。
打ちやすさに定評があり、コンビニのATMのテンキーでも使われている。
「静電容量無接点方式」の特徴は、
- 押すととカクンと落ちる特性「タクタイル」
- 3000万回以上といわれる高い耐久性
- タイピング大会においても使用される打鍵感の良さ
海外では、「静電容量無接点方式」ではなく「メカニカル」キーボードのシェアが高い。
青軸・茶軸・赤軸と呼ばれるタイプだ。
だが、私は打ちやすさと静音性の2点から圧倒的に「静電容量無接点方式」が好きである。
好きなキーボードは自分好みにカスタマイズしたくなる。
「メカニカル」のキーは、世界的な普及率が高いため、キートップのカスタマイズがしやすい。
「静電容量無接点方式」のキーは「東プレ軸」と呼ばれる専用品で、どちらかというと日本国内に使用者多く、キートップの種類が少ない。
東プレが販売している公式キートップは高額で1万円を越えてしまう。
高い。メカニカルキーボードが買える値段だ。
東プレ公式のキートップは、カラーは複数から選べるが、デザインは無難。悪く言えば味気ない。
この混迷を極める東プレ軸のキートップ業界に彗星のごとく登場したのが、ハンドメイドキートップ製作家「せんみん」氏。
「東プレ軸」で「木製」のキートップを作っているのは、せんみん氏ただ1人だけ。
せんみん氏のキートップ製作にかける熱意とこだわりは凄まじい。
いてもたってもいられず、せんみん氏が製作したスタビ材(スタビライズドウッド)のキートップ2点を購入した。
美しくてため息が出てしまうハンドメイドキートップの魅力を、詳細にレビューする。
スタビライズドウッドは樹脂で硬めた丈夫な木材
私が購入したのは「スタビライズドウッド」で作られたキートップ。
- スタビライズドウッド(通称:スタビ)とは?
- スタビライズドウッド(通称:スタビ)は、原料の木に樹脂を浸透させて硬めた木材である。樹脂の浸透の工程に合わせて染料で木材を染めるため、ニュアンスのある変わった色合いになるのが特徴。
樹脂が浸透しているため、木材の弱点である湿度の影響を受けない。
染料も木の奥深くまで浸透しているため、塗装と違って色が剥がれることもない。
スタビライズドウッドは、高級万年筆、ボールペン、ナイフの持ち手などに使われている。
この木をキーボードのキートップに使う発想がすごい。
万年筆に使われるなら、同じように文字を入力するキーボードに使うのもアリだろう。
エキゾチックな色合いだね!
スタビライズドウッドは見ているだけで魅入られてしまうので、知らない方が良かった世界である。
魅力を知ってしまったら、もう、戻れない。
今回購入したスタビライズドウッドのキートップも木目がとにかく美しい。
単品としては、暗めの木目の方がかっこよかった。
だが、せっかくなら「ペアで揃えたい」と思い、コントラストのある2色を選んだ。
派手なカラーなのに、表情に富んでいてずっと眺めていられる。
たまりません!
せんみん氏の木材加工へのこだわりが凄い
今回購入したキートップを作っているのは「せんみん」氏。
「東プレ軸」で「木製」のキートップを作っているのは、世界でせんみん氏だけ。(記事執筆時点)
メルカリでせんみん氏が販売しているキートップを購入することができる。
せんみん氏の木材加工にかける情熱はすさまじい。
非常に厳しい目で自身が作った商品をチェックしている。
僅かな妥協も許さない姿勢が、我々の心を打つ。
せんみん氏は、Twitterでたびたびキートップの製作に失敗したというツイートをしている。
実際に製作に失敗していることもあると思う。
しかし、せんみん氏は謙虚で求める基準が高いことも「失敗が多い」理由のひとつだろう。
陶芸家が「完成した気に入らないツボを割る」のと同じだと考えている。
木材加工に求めるレベルがとにかく高い。
私はツイートを見て「そこまで難しい木を加工しなくても良いのでは?機能上は必要ないのだから」とコメントしてしまったことがあった。
職人にそういったコメントをしてしまったことを恥ずかしいと思っている。
特定の木材でないと得られない表情があるのだから、余計なお世話だった。
せんみん氏は、試行錯誤を重ねて「縞黒檀(しまこくたん)」のキートップを作った。
完成したキートップは非常に美しい。
縞黒檀は、ピアノの黒鍵やチェロ・ヴァイオリン・ギターの指板にも使われる材料である。
せんみん氏は異常な執念で、手間と時間のかかるキートップの製作にとりくんでいる。
あえて手間のかかる方、難しい方を選んでいるようにも見える。
「高ければ高い壁の方が 登った時 気持ちいいもんな」の精神で作られたキートップが、ミスチル世代の私の心にまっすぐに突き刺さる。
長時間使うキーボードに「魂がこもったパーツ」を付けたい
私は趣味でギターを弾くのだが、ギターの弦が乗るサドル・ナットというパーツを自分で作っている。
人が時間と手間をかけて作ったパーツを使うと、ギターから「魂がこもった音」がするようになる。
今、私はギターを弾く時間よりもブログを書く時間が長い。
長い時間触れているアイテムは良いものを選びたい。
キーボードは高額であっても大量生産の商品である。
そこで、長時間触れているキーボードに「魂がこもったキートップ」を付けたいという欲求が生まれた。
せんみん氏が加工したスタビライズドウッドのキートップは、めちゃんこ手間がかかっている。
(下記のツイートの写真のキートップは、今、私のキーボードに付いている!)
厚さのある木にのこぎりを入れ、キートップに最適なサイズに切り出す。
樹脂で硬度が上がっている木を切るため、その作業の労力は想像を絶する。
失敗したら、高額な材料は無駄になってしまう。
過酷な研磨作業の末、スタビライズドウッドのキートップは完成した。
Twitterで製作の過程は公開されている。
私もギターのパーツを作った経験から、研磨して狙った形状に仕上げる難しさに共感できた。
(難易度のレベルはまったく違うが)
情熱と時間と労力と厳しい審美眼をもって作られた完成品を見て「これ、私が買いたい!」という欲求を押さえることはできなかった。
「東プレ軸のスタビライズドウッドキートップ」まとめ
せんみん氏が製作したスタビライズドウッドのキートップは、とても美しい仕上がりで大満足である。
せんみん氏のメルカリアカウントはこのリンクを参照。
裏側は企業秘密とのことで、ブログに掲載することは避ける。
剛性は既存のキートップに劣るらしいが、使用していて問題は感じない。破損する可能性は低い。
木製になった分、打鍵感は少し優しくなる。
触れた感触は研磨によってサラサラと滑らかだ。
「魂をこめて作られたもの」を見ると、私も「頑張らねば!」という気持ちが湧いてくる。
綺麗なものが身近にあるのは、モチベーションの維持にも最適だ。
身の回りを好きなアイテムばかりにすると、仕事もはかどる。
キーボード周りを改善して、作業効率をアップさせよう。
この記事は以上です!
読んで頂き、有難うございました!
記事が気に入ったらシェアをお願いします!