【注意点まとめ】ピアノを独学で弾けるようにするための方法を解説(その2)

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ピアノを独学で学ぶカエル

この記事では、前回の記事に引き続き「独学でピアノを弾く」ための方法をまとめる。

前の記事では長ったらしくピアノ独学の導入・準備段階の話を書いた。
(ちゃんと書くととどうしても長くなる…)

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今回の内容は、独学でピアノを練習している際に私が気を使っているチェックポイントを紹介する。
箇条書きに近いかたちで並べているので、抜粋で読むことも可能だ。
前回よりはきっと読みやすいはず。
(思いついたことは全てこの記事に追記する)

私は自分の文章で自らを洗脳することで、練習の効率を上げている。
技術的な分析がメインとなっており、書かれた内容に気を使って弾くことで100%の上達を約束できる。

ただし、元は自分向けの文章ということもあって「ストイック」「説教臭い」「押し付けがましい」面が多々ある。
「苦難の道をゆく人」にはおすすめだが、エンジョイ勢・苦労せずに上手くなりたいという人にとっては吐き気がする内容になっている。

この記事でわかること

「ふつうと逆の感性」で練習に取り組む

「練習」とは、上達するために楽器を弾くことである。
(楽器を使わない練習もある)
時間をかけて楽器を弾いても、上手くなっていないなら練習していないのと同じである。

一般的なイメージの良い練習では、「音楽を奏でる」「楽器を弾く」のが楽しくて、長時間弾いたら上達している状態を思い浮かべる。
これは「ある程度弾けるようになった人」に与えられたご褒美のような時間である。

練習は「自分の汚い部分を見つけ、それを直していくこと」だ。
自分の弱点と向き合う作業は「辛酸をなめること」そのもので、全く楽しくない。
遊びで楽器を弾くことと、上達するための練習は分けた方が良い。

小さな成長を感じとって、褒める

辛いだけでは、練習は続けられない。
小さな成長を感じ取って、「少し前より上手くなっている!」と自分を褒めるのが大事だ。

楽器の上達は薄い紙を積み重ねるようなもので、変化しているのが分かりにくい。
しかし、演奏時の日々の細かい違いが分かるくらいに感覚に集中していると、上達そのものも早くなる。

私は分かりやすく演奏の感覚に変化があったときはメモを残すようにしていて、だいたい3〜7日に1回くらいのペースで上達の記録として追記している。
演奏感覚の変化を感じるのは、各個人や曲の難易度によって3日ごとだったり、1ヶ月ごとだったりするかもしれない。
この上達の記録メモ」が更新され続けている限りは成長が止まっていないので、練習のモチベーションになる。

あらためて、以下がふつうの人の感性だと思う。

  • 演奏や練習を楽しみたい
  • 自分の状態がどのように変わっているか、あまり分からない

この一般的な感覚の逆の状態で練習することで、ピアノ演奏は上達する。

  • 練習は、自分の欠点と向き合って直すもの
  • 日々の演奏の違いを感じられる
  • 少しずつでも、自分の成長を認められる

私はピアノのことを他の楽器と比べて「単音を弾くだけではつまらない楽器」「複雑な音楽を弾ける楽器」として捉えている。
そのため、「ピアノを楽しく弾く」には上達するしかない。
「ただ音を出すだけ」「簡単な曲を弾く」ならピアノ以外の楽器の方が楽しい。

やる気に依存しない

練習は、やる気に依存せずに続けた方が良い。
どうしてもモチベーションが出ない日があったとしても、少しでも楽器は触るようにする。
習慣を継続するためだ。

やる気がない日は、練習でなく楽しんで楽器を弾く日と割り切っても良いかもしれない。

冷静に演奏して「ここでいつもミスするな…」と思うだけでも、脳の中で経験が熟成され、気が付いたら弾けるようになることもある。

曲が難しくても、心が折れないようにして、少しずつでも毎日弾く。
そうすると、時間によって脳の回路が変わってゆく。

私はスランプでも楽器そのものからは離れないほうが良いと思う派である。
(曲を寝かせるのはOK)

演奏中は脱力する

「緊張していても弾ける」「効率よく上達する」ためには手・身体の脱力が必要となる。
力が入っていると、以下の状況が発生する。

  • 手の感触が鈍る
  • 鍵盤を押す力加減が分かりにくくなる
  • 怪我する

力んで手の感触が鈍ると、指先から何をやっているのか伝わってこないため、練習した経験値がうまく蓄積しない。
鍵盤を押す力の調整も上手くいかないので、強弱・音色の変化も付けにくくなる。

筆者は手の大きさが女性の平均と同じ。
力を入れて開くとぎりぎり9度(ドからレ)が届くサイズ。
オクターブ(8度)を弾く際に力んでしまうと、オクターブと9度の違いが指の感覚として分からない。
9度を弾く際はどうしても力が入って、手が感覚遮断モードに入るし、それをすぐに戻すことは難しい。
オクターブを脱力して弾く訓練が必要だと感じている。

脱力しないと力が連動しない

ずっと力が入っている状態は、「腕力で腕を空中に浮かせている」のと同じ。
これにより、腕の重みを鍵盤に乗せて弾くことができない。

脱力することで、腕の重みを鍵盤に乗せて効率良く音を出すことができる。

以下の方法で脱力を意識している。
(思いついたら追記する)

  • 鍵盤を押すタイミングで腕の力を抜く(腕の重さをかけていく)
  • 押しっぱなしにした鍵盤から返ってくる力を考慮して、不要な力を抜く

脱力で怪我を防ぐ

筋肉が「発揮する力の大きさ」と「動きの速度」には法則がある。

力の大きさと速度の関係
筋肉は、大きな力を出す際は動きが遅くなる。
つまり、止まっている状態でもっとも大きな力が出る。
速く動かす際は力を抜かなければいけない。

力が入っている状態で指に速い動きをさせると、身体の機能に反する状態となり、負荷がかかって怪我をしてしまう。

私は手が小さい。
脱力の意識なしで手の開きが大きい曲を弾いた場合、力が入りっぱなしの状態でずっと指を動かすことになる。
この状態では、毎日1~2時間の練習で簡単に怪我をすることができてしまうと感じた。

「怪我をしないために脱力する」よりは、「上手くなるために脱力する」意識の方が積極的になれるのでおすすめである。

関節を固定(ロック)する
「力む」とは別の感覚で「関節を固定する」という身体の使い方もある。
(格闘技のパンチは、素早く拳を出して当たる直前に力を入れて身体を固める)
ピアノにおいても、指を固定して腕・肩・身体の重みを使って弾くと大きな音が出せる。
このロックの状態は「力み」とは異なり、すぐに発動と解除が可能である。

ピアノ@がんばらない

楽器の演奏で「がんばる」という感覚は不要である。
がんばろうとすると、力んでしまう人が多いからだ。

頑張っている演奏は頑張っているように聴こえるので、頑張っていない演奏よりはマシに受けとられる。
だが、頑張ることよりも他にやるべきことがある場合が多い。

「頑張る」こと以外にやるべきことが見つからないと「力んで頑張る」に逃げてしまう。

頑張らずに「何をすれば理想の音楽に近づくのか」を、具体的に考えて身に付けるべき。
「リズム・テンポ・音色・響き・音量」などを聴き取って、理想の音と出した音との差異を考える。

感覚を鋭敏にして弾く

ピアノ演奏時は、指先や身体の感覚を研ぎ澄まして弾くことが重要。
脱力することで感覚は鋭敏になるので、「脱力と繊細な感覚」は「にわとりたまご」なところがある。

ピアノガチ勢に怒られることを承知で言いたい。
ピアノは求められる繊細さに比べて指先に返ってくるフィードバックの情報量が少ないと感じている。
(私が電子ピアノを使っているというのもこの偏見を後押ししている)
チェロやヴァイオリンなどの擦弦楽器、ギターや琴などの撥弦楽器、吹奏楽に使用する管楽器、ドラムや太鼓など打楽器と比べると、ピアノは楽器に触れている部分から伝わる感触や振動に乏しい。

他の楽器に比べて指先や足に感じる情報が少ないからこそ、ピアノから伝わってくる情報を大事にしたい。

  • 打鍵する際の感触
  • 打鍵した鍵盤が指を押し返す力
  • 白鍵の間の段差
  • 黒鍵の出っぱり
  • 打鍵して凹んだ部分と弾いていない鍵盤の段差

繊細な演奏者ほど、細かな情報を感じ取ることで演奏・学習の効率を上げることができる。

演奏には2つのスタイルがあるため、他の競技で例えて紹介する。
野球やテニスなどで、相手が放ったボールに対して「素振りと同じスイングができる人」と「微調整して動きを変える人」の2種類が存在する。
「調整してしまう人」の方が繊細・ナイーブ・神経質である。
どちらのスタイルにも強み・弱みがあり、もともとの気質は後からは大きく変わらない。

事前に用意した動きを反復するタイプの奏者は、細かい感覚はあまり気にしなくて良いかも。

音色・音量と指先の感覚をリンクさせる

ピアニストのアルトゥール・シュナーベルが「演奏する前に、指が鍵盤に触れる前に、全てがイメージされなければならない」と言っている。
ピアノはとても繊細な楽器だと感じていて、これを怠るとイメージした音がなかなか出てくれない。

演奏に使うための及第点の音が勝手に出てくれれば楽なのだが、ピアノは「普通のなんてことのない均一な音を出す」のも難しい。
楽曲のフレーズに合うイメージの音色を常に持っていなければならない。

私はタッチとピアノの音色の反応の関係が分かってくるまで、1ヶ月ぐらいかかってしまった。
タッチと音に本気で神経を通わせていかないと、「音色・音量」と「タッチ」がリンクする感覚が今後も身に付かないのではと心配している。

ピアノのタッチには、以下のようなパラメータがある。

  • 鍵盤に対する指の角度(立てる、寝かせる)
  • 鍵盤に指を当てる角度
  • 打鍵のスピード
  • どこから弾くか(指、手首、肘、肩)

どのレベルの奏者であっても、「理想の音色」が出せるように指先に細心の注意を向けるべきだ。

私がピアノを弾いていて感じたこと。
ゆっくり弾くと音が出るポイントが奥(深い)にあり、強く速く弾くと音が手前(浅い)部分にある。
(実際に音が鳴る深さは同じでしょうが)
ピアノと友達になれるように精進する。

表現を付ける

音色や音量にこだわる際、「曲においてどのような表現が求められているのか」が重要となる。

「本気で音楽をやりたい」と思っている人は、ぜひ「豊かな表現を付けて、曲の完成度を上げる」ことにこだわって欲しい。
指が動いてなめらかに弾けるようになっても、音楽は終わりにはならない。
技術的な完成度が6~7割になってきた時点で、曲の表情付けと技術的な仕上げは並行して行うべきだ。

筆者もピアノを弾いていて、曲の難易度が高すぎて「表現を付ける」ことを忘れるときがあった。
「最低限、弾けるようになりたい」の段階ではどうしても技術に目がいきがち。

「表現がない音楽」はただの指の体操で、聴いている人は何も感じない。
人前で弾きたいと思う人は「感動する音楽」にこだわるべき。

現代の音楽に慣れた鈍感な耳には「クラシック音楽」は落ち着いた印象を持つかもしれない。
しかし、曲が作られた当時を生きた人には「興奮・刺激的・感動する」ものであったはず。
弾いている人が感動しないと、聴く人も感動しない。

常に「最高」を目指して、審美眼も磨く

曲の表現を仕上げる際は、常にベストを尽くすべき。(自戒)

演奏は、「音を聴く」→「練習」→「上達」→「より高い基準を持つ」がセットになっている。
「こんなもんで良いか」と思ってしまうと審美眼が磨かれず、上達が停滞する。

「高い基準を持つ」ことで感覚が磨かれていき、狙うべき的がどんどん小さくなっていく。
これによって「自分の演奏、良くないな…」とずっと思い続けることになる。
ストレスは溜まるが、苦しみと向き合い続けるのが表現者の本来あるべき姿だと思う。

そんなときに「作曲者・聴衆・先人・楽器を弾く仲間」などを思い浮かべて、辛い練習を乗り切る、というのは良くある話だ。

「表現=頑張る・こねくりまわす」でないことには注意。
日本人が頑張って表現しようとすると「演歌のこぶし」「歌舞伎」のような揺らし方・溜めになってしまう。(筆者の黒歴史)

ミスは必ず発生する

人間が演奏をする上で、ミスは必ず発生する。
練習中のミスは学習のための材料である。

ミスに対してアンテナを張り、その種類と原因を分析する。

  • 鍵盤を押し間違えた
  • 音が強すぎた・弱すぎた
  • ポジション移動し過ぎた・足りなかった

ミスの原因を克服することで効率よく上達できる。

上達するにつれて段々とミスは減っていく。
そうすると直す部分が分かりにくくなるため、「上達するための練習」の難易度は増す。

だが、「直すところがないほど音楽が完璧になる」ことは、難易度の高い曲においては無いだろう。
レベルアップに応じて「今のは駄目だった」と判定する基準も上げていく必要がある。

ミスしても流す

ミスしてしまって、練習中に演奏を止めたくなったとしても、何事もなかったように流して弾き終えてしまった方が良い。
ミスの内容や原因は、演奏を終えた後で振り返る。

「人前で演奏したい」と思っている人には、「ミスを流す」「ミスから立て直す」能力はとても重要。
ガサツな人はミスを何とも思わず音楽を前に進められる。
理想が高い人ほど「些細な違いをミスと判定する回数」が多く、演奏中に動揺する頻度も増える。

聴いている人は、よほどの音楽通でない限りミスには気付かない。
相手が気付いていないミスに対して「間違ったのでやり直す」「申し訳なさそうにする」のは自意識過剰でみっともない。

以下のようにミスはスルーする。

  • 出なかった音は諦める
  • 間違った音はすぐに消す(指を離す)
  • 弾き直しせずに、次の正しい音から弾く
  • 同じ音を2回弾くなら、2回目で修正する
  • とっさに正しい音の鍵盤に指を滑らせる(弾き直し扱いになるかも)
  • 間違えた音を使って即興演奏する(上級、無理)

練習方法のバリエーション

私が行っている練習方法を以下にまとめる。
練習方法は無限にあるため、初心者向けの練習方法をメインにしている。

「超ゆっくり」から練習する

曲を習得する際は、「超ゆっくりのテンポ」で弾き始める。
理由は以下のとおり。

  • 動きを確認する
  • 毎回同じ動きをする
  • ミスを覚えないようにするため

曲をさらい始めた段階では、ゆっくり弾いて楽譜に書かれている運指を記憶に叩き込んでいく。

記憶が曖昧な状態で弾こうとすると、覚えた内容と違う指使いで弾いてしまうことがある。
「音はあっているが、指使いはたまに違う」の状態は、音が間違っていないのでスルーしがちだが、演奏の成功率は上がっていかない。

頻繁にやりがちなミスは、その日の練習の最初のうちに直すこと。
「1時間練習して、最初の55分はミスしていたが、最後の5分は弾けていた」という状態は、55分の間はミスをする練習をしていたのと同じである。
(私は何度もやらかした)
楽曲を習得していない段階では特に、ミスしないテンポでゆっくり弾くことが重要だ。

目を瞑って弾く

あえて厳しい条件で弾く練習のひとつとして、「目を瞑って弾く」のもおすすめ。
まずは片手からやってみる。

これを行うことで、「弾けない・記憶が曖昧な部分」が分かることがある。

「手元を見ずに弾ける能力」は、「楽譜を見て初見で弾く」ための必須要素である。
「楽譜があれば何でも弾けるけど?」とドヤるために、積極的に目を瞑って弾くようにしたい。

強く弾く

暗譜の記憶や指先の動きが曖昧なときは、曲想を無視してあえて曲全体を強く弾くのもおすすめ。
指の動きがはっきりするので、記憶に残りやすくなる。

電子ピアノであれば、音量を下げて強く弾くようにすればOK。

本番を想定して、あえて「負荷の大きい条件で練習する」ために強く弾くこともある。

指を鍵盤に置いてから弾く

ピアノ演奏で鍵盤を弾く際、2つのやり方がある。

  • 指が空中にある状態から鍵盤を叩く
  • 指を鍵盤上におき、鍵盤を押す

上記の2つ目「指を鍵盤上におき、鍵盤を押す」をメインとして使うべきだ。

これはギター演奏でプランティングと呼ばれるテクニックである。
ギターでは、弦に指をセットすると振動が止まってしまうが、ピアノは鍵盤に触れるだけでは何も起きない。
つまり、「指を鍵盤上にセットしておく」ことのリスクがない。
「叩く」のではなく、「乗せて、押す」を演奏の基本とすべきだろう。

特に曲を習得する段階では、音が少し切れてしまうのを許容して「指を鍵盤に置いてから弾く」と記憶が強固になりミスが減っていく。
「ヤバい!音が切れちゃう」と思って慌てて指を移動させると、ミスの確率が上がってしまう。
最終的には滑らかに「音が切れない」状態まで仕上げる。

速いテンポで弾く際やレガート(音が切れずに繋がる)を求められる際は、鍵盤を叩く弾き方が求められることもある。
状況に応じて弾き方は変化する。

その他、演奏・練習に関するトピック

ここまで書いた内容の他に、練習していて発生する疑問をQ&Aとしてまとめた。

楽譜を読んで、ピアノで弾くことができないのだが?

まず、正しく状況を把握する。
「楽譜が読めない」のか、「指が動かない」のか、問題をはっきりさせ、足りない能力を鍛える。

そもそも楽譜が読めないんだけど?

音符にカタカナを振ってしまうと一生楽譜を読めない。
(真面目な人にありがち)
まず、楽譜上の「ドミソ」の位置を覚える。
「ドミソ」を覚えることで、隣り合った残りの「シレファラ」も逆算できる。
単旋律の童謡など(ちょうちょ、きらきら星、桜)をオクターブを変えて弾くのもおすすめ。
五線譜に書いてもOK。
時間がかかっても良いので、毎回楽譜を読むこと。

ヘ音記号(低音・左手側)が読めないんだけど?

左手の譜読みをして慣れる。
筆者はチェロの曲を弾いて譜読みの練習をした。

楽譜からリズムがとれないんだが?

手や足で拍を取りながら、歌ってみる。
口で歌えないメロディは、楽器で弾けない。
音程を取るのが難しいなら、リズムだけ口に出してみる。
「タラララ」「パパパ」「ティヤティヤ」など。
すぐにピアノで弾きたくなるが、完全に腹落ちした状態で弾かないと「技術と理解のどっちで躓いているか」が分かりにくい。

音源や動画を観て曲を弾くのはあり?

あり。
ただし、楽譜から音程・リズムを読み取って弾けることが理想とされてはいる。
音源・動画を活用して、楽譜と照らし合わせるのは時短になる。
全員に高い理想を押し付けるのは良くないし、学習の初期段階ではなるべく楽をしたい。

曲を覚えるには?

記憶のフック(引っかかり)になる要素がないか、考える。
メロディなら「最高・最低音は何か」、「何の音で上昇・下降が変わるか」「臨時記号がどこに付くか」。
和音なら「共通する音や指があるか」「構成音がどちらに動くか」。
音楽理論が分かっていると、「V7→Ⅰ」などのコード進行で覚えることもできる。

弾けない箇所の練習方法は?

具体的にどこが「弾けない」かを特定して、その最小単位のみを繰り返し練習する。
「新人歌手新春シャンソンショー」という早口言葉なら、「しゅん→シャン」が難しいので、ここだけを繰り返す。

指が届かないときは?

頑張れば届く場合は、手を開いて鍵盤に対して最長の長さになるように、ピアノに対する手と身体の角度を調整する。
どうしても届かない場合はペダルを使ってアルペジオにする。

なめらかにポジション移動したいときは?

鍵盤に指を残したまま、空中で手首・肘・腕を先に移動させておく。

演奏中、どこを見る?

難しい方の手を見る。
そのためには、もう片方の手は見ずに弾けるようにする。

手を見ずに弾くためには?

音程と手の形のパターンを記憶する。
中途半端な完成度で次の曲に進んでしまうよりも、何度も弾いて曲から技術を学ぶ。
譜読みのスピードにも影響するため、学習の効率が変わってくる。

メロディと伴奏の音量を整えたいときは?

優先順位は、①メロディ(最高音)②バス(最低音)③内声の順となる。
乱暴な言い方をすると、最初は鍵盤上の左右の1番外側の音を強調するとマシになる。
声部を1つずつ取り出して歌わせるように練習する。
片手ずつ弾いた際と両手の場合では、音量のイメージは変わるため注意。

耳が育っていないのか、聴こえない音があるのだが?

聴こえない音や苦手な音は、強調して(強く)弾いてみる。
元の運指のまま、1声部を抜き出して弾くのも良い。

速い曲が弾けるようになるには?

遅い曲をずっと弾いていても、速い曲は弾けるようにならない。
最初は難しく感じるが、片手ずつで練習して暗譜しておく。
速い分だけ難しい動きは少ないことが多いので、とてもゆっくりから練習を始める。
メトロノームを1ずつ上げても良い。

昨日よりも下手になっていて、ピアノを破壊したくなるんだが?

私のパターンでは「実際に昨日よりも下手になった」というよりは「自分の演奏に対して過剰な期待がある」ことで腹が立つことが多い。
「悔しくて何時間も練習した」はヒロイックな美談だが、効率が悪く、現実にはそんな時間はない。
「冷静に自分のできないことを観察する」が正解。

独学でピアノを練習する際のチェックポイント、まとめ

今回の記事では、独学でピアノの練習する際の意識やチェックポイントを紹介した。
確実に初心者レベルを越えられる内容となっている。

独学で楽器を練習していると、「習っている人には勝てない」という負い目がどこかにある。
(幼少期から楽器を弾いている上級者は、完全にレベルが違う)

私がレッスンを受けた経験から感じるのだが、技術に関しては最終的にレッスンで先生が指摘できなくなるのではと思う。
音に関しては、耳の良い先生が真っ先に間違い・違和感に気がつく。
目で見て、音で聴いても分からない僅かの「筋肉が硬い、こわばっている、動かしにくい」の情報は演奏している本人が一番最初に気付くはずだ。
「些細な身体の感覚をフィードバックして練習できる」のであれば、独学でもけっこうな段階まで上達できるのでは、と思っている。

「プロのピアニスト」「ピアノで飯を食う」はほぼ100%無理だと思っている。
だが、それと比較して「品があって、質の高い音楽で人を感動させるアマチュア」になることはそれほどハードルは高くない。
「大人になってからピアノを弾く」のはおすすめである。

カエル

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ピアノを独学で学ぶカエル

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