静電容量無接点方式と静音赤軸(ピンク軸)の違いを解説する。

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キーボードの静音赤軸と静電容量無接点方式の違い

[st-kaiwa7]キーボードの静電容量無接点方式と静音赤軸って、似てるんでしょ?[/st-kaiwa7]

[st-kaiwa4]使ってみたが、全然違います![/st-kaiwa4]

今まで、東プレのリアルフォース(静音)を使ってきた。
キーの打鍵感は非常に満足。

ただ、テンキーありのフルサイズキーボードだったので、サイズ面で不満が出てきた。
75%レイアウトの英語配列のキーボードが欲しくなり「Vortexgear Tab75」を購入した。

「Vortexgear Tab75」に関しては別記事でレビューしている。

この記事ではキーボードの静電容量無接点方式と静音赤軸(ピンク軸)の違いについて徹底的に語る。
この2つは全く違うものだと使ってみて分かった。
(ネット上では、この2つが似ていると書かれているが、かなり鈍感な方のレビューだと気が付いた)
どちらかが好きなら、どちらかは好みではないだろう。
いざ参る。

この記事でわかること

機械的な特性の違いについて

まずは静電容量無接点方式と静音赤軸(ピンク軸)の機械的な特性の違いについて語る。
機械的な特性がこの2つを明確に分ける要素になっている。

耐久性や機械的な接点を持つかどうかに関しては使い心地に関係のない特徴だ。
そのため、今回の記事では触れない。

静電容量無接点方式

静電容量無接点方式の押し込み量(mm)と力(gf)の関係は以下のグラフによる。
グラフが出てきて難しいのではと思うかもしれないが、感覚的な話しかしないので安心して欲しい。

「Press」が押す時、「Release」が離す時の力の曲線だ。
大きさは違えど、どちらも同じ形だ。

静電容量無接点方式のグラフ
特徴 | REALFORCE | 日本製プレミアムキーボードの最高峰より引用

押し込んだ量が1mmまで力は大きくなっていき、後は押し込む力は弱まる。
これは、1mm押し込むと後は惰性でキーが下がることを指す。
1mm押し込んでしまえば、後は指先の感覚に気を使う必要がない。

1mmの感覚で入力出来る点が、静電容量無接点方式がフェザータッチと呼ばれるゆえんだ。
(指は4mm地点まで落ちる)

静音赤軸(ピンク軸)

続いて、静音赤軸のグラフを見てみよう。
さっきと違う英語が出てくるので一瞬ビビるが、書かれている意味合いは同じ。
赤い線が押し込むとき、黒い線が離すときの力の曲線。
赤い線と黒い線で形が違う。
ただし、黒い線のときは指先の力を抜いている段階であまりこの曲線を意識することはないだろう。

押し込むときの力(赤い線)が先程の静電容量無接点方式とは全く異なることが分かる。
(どこが似ているのか、理解に苦しむ)

静音赤軸のグラフ

CHERRY MX SILENT RED – Precision and quality without noise.より引用

押し込んだ量が何ミリであろうとも、赤い線は直線のままで変化がない。
(これをリニアと呼ぶ)
そのため、キーボードの奥まで(4mm)押し込まないと指先の感覚においては変化を感じ取れない。

使ってみて感じる静電容量無接点と静音赤軸(ピンク軸)の違い

静音赤軸(ピンク軸)は奥までキーを押し込む必要がある

上の機械的な特性で書いたとおりの結果なのだが、指先の感覚としては静音赤軸(ピンク軸)は奥までキーを押し込まなくてはならない。
リアルフォースは1mm押し込むと、後は「スンっ」と指が下がる。
これが静電容量無接点方式の打鍵感がスコスコと呼ばれるゆえんである。

静電容量無節点方式の方が重く感じる

2つの打ち心地を比較すると、静電容量無節点方式の方が重く感じる。

これも、明確に理由がある。
静電容量無節点式は1mmのポイントで最大の力45gが必要になる。
静音赤軸(ピンク軸)で45gの力が発生するのは3mm地点だ。

車やバイクで言うところの、低回転で大きいトルクが発生するほうがパワーがあるように感じるのと同じである。

静音赤軸(ピンク軸)は入力の感覚と文字の出力が一致しない

静音赤軸は、キーが底付きするまで指先の感覚に変化がない。
底付きする4mmの地点までは「文字を打った感」がないのである。
(正確には、静音赤軸のストロークは3.7mm)

しかし、実際に文字が入力されるポイント(作動点)は1.9mmにある。
「指先の感覚」と「文字の表示」の深さがズレている。
この深さの違いを感じ取れる人はいないと思うが。

静電容量無接点方式は、スコッと指が落ちるポイントと作動点が一致している。

静音赤軸(ピンク軸)は打ち間違いが増えた

静電容量無接点方式に比べると、静音赤軸(ピンク軸)は明確に打ち間違いが増える。
当初は私の慣れの問題かと思った。
が、違った。

指先に感じる入力位置の3.7mmと作動点の1.9mmが一致していないと書いた。
これが原因で、静音赤軸は打ち間違いが生じる。

私の場合、中指でKを押した際に、薬指でLに触れてしまう癖があるようだ。
指先にキーを打ち込んだ感覚がないのに、無意識に1.9mm以上キーを押し込んでしまっているらしい。

こういったことがあるなら、作動点の深さは3mm以上にして欲しかったと思う。
間違って押し込んでしまったとしても、3mmは押さないだろう。

静電容量無接点方式では、1mmのポイントで必要な力が多く、誤って指が寄りかかったとしても作動点までキーが下がらない。
もしミスタイプしたとしても、指先にミスタイプの感覚があるので間違いに気が付く。
ピンク軸は気が付かないうちに少し押しているので、間違いに気が付かない。

静音赤軸(ピンク軸)は少しうるさくなる

静音赤軸(ピンク軸)は指先の感覚重視でタイピングするとどうしても底まで押し込まなくてはいけない。
底まで押さないと、指先の感覚に変化がないからだ。

軸そのものは無音と言っても良いのだが、キーキャップが底打ちしたときの音が鳴る。
これが少しうるさいと感じる人がいるだろう。
作動点(文字の出力)と音が鳴る位置がズレているので、音が鳴ってもあまり気持ちよさも無い。

静音赤軸(ピンク軸)よりはメンブレンの方が良い

本音を書いてしまうと、静音赤軸(ピンク軸)よりもメンブレンの安いキーボードの方が静電容量無接点方式に近い。

メンブレンの表面で一度耐えて、後は静かに押し下がっていく動きが静電容量無接点方式とかなり似ている。
静かだし。

キーを叩かないフェザータッチ派の人は、メカニカルのキーボードを選んではいけないということが分かった。

スペックだけなら、茶軸は静電容量無接点方式のカーブに近い

実物を触った人にとっては「ぜんぜん違うよ」となるだろうが、静電容量無接点方式と茶軸のグラフはちょっと似ている。

1mmのポイントで必要な力が抜けるところが似ている。
違うのは以下の点。

  • 1mmで必要な力が少し増える(僅かに引っかかるということ)
  • 2mm地点からは必要な力が復活する
  • 茶軸は音がうるさい

茶軸のグラフ
CHERRY MX BROWN – Ideal Keyswitches for precise typing.より引用

静電容量無接点方式を使っていて、スコッと指が下がると必ず底まで指が下がるのは少し気になっていた。
(これが良さなのだが)
作動点を過ぎたら、後は反発があった方が速く打てるのではないかなと。

茶軸は作動点(入力ポイント)が2.0mmで押下圧は45gである。
これは静電容量無節点方式と同じ。
ただし、茶軸の場合は作動点を過ぎても反力は増していく。
文字の入力後も指を押し返す力が大きい。

スペック上では、静電容量無接点方式よりも茶軸の方がキーを最後まで押し切らないタッチが可能だ。
ただし、茶軸は音がうるさい。
静音茶軸があったら、静電容量無接点方式キラーになりうるかもしれない。
ニッチだし、探すのが面倒なので静電容量無接点方式で良い。

今回の結論「静電容量無接点方式は唯一無二」

天上天下唯我独尊。
静電容量無接点方式と同じ感覚のメカニカルキーボードは存在しなかった。
静音なのに指先には入力感がある、唯一無二の方式と言える。

「静音赤軸(ピンク軸)のキーボードはぶっちゃけいらない」ということが分かった。
75%レイアウトで英語配列を目当てで買ったので、キーが好きでなかったとしてもコレはコレで使う。

リニアのメカニカルキーボードは今後絶対に買わない。
つまり、黒軸、赤軸、銀軸とその静音タイプは私の選択肢から外れる。
そして、青軸はうるさいので買うことはないだろう。
メカニカルキーボードの沼にハマることはなさそうだ。
(現時点で色々買ってますが)

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キーボードの静音赤軸と静電容量無接点方式の違い

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