冬のダウンって、どれを選べば良いのよ!
ハイブリッドダウンパーカは最適解のひとつだ!
冬に備えたダウン選びは、毎年我々を悩ませる。
べらぼうに高いダウンを買うと高級過ぎて気軽に使えないし、安いものはあまり暖かくない。
「今年はスルーするか!」と思っても、結局次の年にはまた欲しくなる。
ダウン選びは「沼」だ。
混迷を極めるダウン選びのなかで、正解のひとつと呼べるのがハイブリッドダウンパーカだ。
ダウン選びに悩んでいた友人がめでたくハイブリッドダウンパーカを購入したため、実物を見せてもらった。
この記事ではハイブリッドダウンパーカに関して以下のポイントを語る。
- 特徴
- 変更点
- ここがダサいという点
- こんな変更があれば買うのにという点
ハイブリッドダウンパーカは、多くのインフルエンサーが絶賛している。
そのため、私はこのアイテムの悪い点をひねり出してみた。
ハイブリッドダウンパーカ(3dカット)の特徴
ハイブリッドダウンパーカは「ダウンと中綿」のハイブリッド
ハイブリッドダウンパーカは、その名の通りダウンと中綿を場所によって使い分けている。
身体の胴体にはダウンを、腕やフード部分には吸湿発熱中綿を、それぞれ使用。
これにより以下のメリットがある。
- 胴体のみダウンが入っており、充分暖かい(ダウンベストだけで暖かいのと同じ)
- 腕がダウンで膨らまないのでスタイリッシュ
- ダウン量を減らすことにより、コスト・価格を下げる
理想的でボリューミーなダウンを使用
ダウンジャケットのダウンは、「ダウン」と「フェザー」で構成されている。
- 「ダウン」は空気を含む柔らかくて暖かい素材
- 「フェザー」は羽軸を持った硬い素材
ユニクロのダウンジャケットは、「ダウン90%・フェザー10%」という理想的な割合でダウンを配合している。
暖かいのに、型崩れしにくい理想的な比率だ。
この比率は10万円を超える高級ダウンメーカーと同じである。
そして、ハイブリッドダウンパーカ(3dカット)はこの理想的な比率のダウンを750フィルパワーで封入している。
(過去モデルは640フィルパワーのようだ)
街着では600〜700フィルパワーあれば十分と言われている。
750フィルパワーは登山に対応できるほどのレベルだ。
暑すぎるので、ウィンタースポーツには絶対に使っちゃ駄目だよ!
縫い目が見えず、スタイリッシュ
ハイブリッドダウンパーカは、通常のダウンと異なり外から縫い目が見えない。
十分過ぎるほど暖かいのに、スタイリッシュさも両立している。
腕に中綿を使用してボリュームを抑えていることも、スリムに見える要因だ。
ポケットと胸のジップがデザイン上のアクセントになる
ハイブリッドダウンパーカ(3dカット)はポケットが2つ、胸のジップが2つ付いている。
収納力に優れており、実用的だ。
スマホや財布、カードケースなどを入れておける。
この実用的なギミックがアクセントになることで、地味にならないようになっている。
今年のハイブリッドダウンパーカ(3dカット)は、2021年のホワイトマウンテニアリングとのコラボレーションのデザインを踏襲したと言われている。
下の写真の以前のモデルと、上の今年のモデルを比較すると、一目瞭然で新しいモデルの方がかっこ良い。
ハイブリッドダウンパーカ(3dカット)の変更点
新しいハイブリッドダウンパーカは以前に比べて値上げをしている。
9,990円から12,990円への変更。
3000円の値上げだ。
その理由として、金融緩和によるインフレ、円高、戦争による物価高の影響が大きい。
ただ、「単なる値上げ」と購入者に思わせないように、ユニクロは細かい部分の改善を実施している。
ハイブリッドダウンパーカは「3dカット」で動きやすく立体的に
新しいハイブリッドダウンパーカは3dカットを採用している。
肩はラグランスリーブで、腕は身体の前に出るように曲がっている。
これにより、より肩を動かしやすく、フードが立体的になり、襟が立ちやすくなった。
襟が立ちやすくなることで、小顔効果がある。
防寒着としては、襟があることで風から首周りをガードできる。
非常に実用的な変更である。
どうせ買うなら「3dカット」かな!
ユニクロは丈夫で長持ちするし
ハイブリッドダウンパーカは、蒸れやすい背中にメッシュを採用
新しいハイブリッドダウンパーカは、背中の中央にメッシュを採用している。
激しく動いて汗をかいても、この部分から蒸れを逃がすことができる。
長い距離を歩く人や、自転車に乗る人には最適なギミックだ。
ハイブリッドダウンパーカは安価なダウンの最適解
ハイブリッドダウンパーカは、安価な価格帯のダウンの最適解である。
ユニクロの他のダウンもチェックしてみよう。
ハイブリッドダウンパーカよりも暖かいダウンといえば、ユニクロでは「シームレスダウン」か「ウルトラウォームハイブリッドダウンコート」(フードに毛が付いたコート)ぐらいである。
シームレスダウンは、デサントの「水沢ダウン」のようなスタイリッシュさがある。
だが、縫い目があり、機能的な実用品としての印象が強い。
「かっこいい」が「おしゃれ」ではない。
ハイブリッドダウンパーカより暖かいが、北海道・東北でなければオーバースペックである。
外気温がマイナスになる地域でなければ必要ない。
ウルトラウォームハイブリッドダウンコートは、Nー3Bというミリタリーアイテムを元にしたジャケットである。
オリジナルのNー3Bはギミックが多い。
ユニクロのウルトラウォームハイブリッドダウンコートはツルンとシンプルで、リアルさがなく説得力に乏しい。
正直、ダサい!
街で着るにはオーバースペックであり、ハイブリッドダウンパーカのようなスタイリッシュさも失われる。
ユニクロらしさが悪い方向に働いた例だ。
Nー3Bなら、オリジナルに忠実なレプリカがオススメである。
ワークマンや無印良品、GUを探してもハイブリッドダウンパーカと完全に同じジャンルのアイテムは存在しない。
機能的にもちょうど良く、セール時には1万円前後で、競合のいないアイテム。
それがハイブリッドダウンパーカだ。
迷っているなら、安心して買って良い。
値段も、見た目も、機能も、完璧!
ハイブリッドダウンパーカがダサい理由は?
教科書的な説明はここまでにする。
ハイブリッドダウンパーカは完璧ではない。
今回、友人がダウン選びに悩んでいたため、私がいくつかの候補を提案した。
そして、友人は最終的にハイブリッドダウンパーカを購入した。
170cmでMサイズを選び、ややタイト。
Lサイズの方がゆとりがあり、今っぽい。
私は買い物中毒であり、自分が100%気に入ったアイテムはどんな理由があっても購入する。
たとえ身近な人と被っても、だ。
私がハイブリッドダウンパーカを買っていないのは、どこかに気に入らない点があるからだ。
ハイブリッドダウンパーカに満足していない理由を考えてみた。
ハイブリッドダウンパーカは、ユニクロっぽい
ハイブリッドダウンパーカに100%満足しきれない理由は、なんだかんだで「ユニクロっぽい」からだろう。
これは私だけでなく、「良いな」と思いながらもハイブリッドダウンパーカを購入していない多くの人が思っているはずだ。
実際に着てみると、そこまで「従来のユニクロ感」はない。
だが、ハイブリッドダウンパーカを構成しているひとつひとつの要素は「ユニクロのアウター・ダウン」のイメージから脱出できていない。
次は「ユニクロっぽさ」の理由を考える。
生地が「いつものユニクロ」
ハイブリッドダウンパーカに使用される生地は、ユニクロでよくあるアウターの生地感である。
撥水性があり、柔らかく、実用的な生地だ。
個人的には、テックアウターとしてはもっとゴツい生地の方が好みである。
身体の線を拾いにくくなるし、シワが入った際もゴツゴツとした質感になる。
2021年にホワイトマウンテニアリングコラボのハイブリッドダウンオーバーサイズパーカが発売されている。
こちらも店舗で実物を見たが、通常のハイブリッドダウンよりも更に柔らかい生地で魅力を感じなかった。
試着した際に鏡で確認したが、ポケットのデザイン(配置や形)もまだまだ未完成なアイテムだと感じた。
写真で見ても、ポケットが波打っているのが分かる。
ユニクロの生地がいつも軟弱かと言われると、そうではない。
+jラインから発売されたダウンオーバーサイズパーカは、とても張りのある生地を採用していた。
「シルエットが悪い」とも言われていたが、張りと微光沢のあるシェルは魅力的。
私はこれを購入している。
ハイブリッドダウンパーカも、この素材だったら文句なしである。
ハイブリッドダウンパーカが現在の生地を使用しているのは、以下の理由と思われる。
- 多くの人が着ることを想定している
- 着心地・実用性を重視
- 他のダウンと生地を兼用してコストを下げている
(専用設計で生地を選ぶと高い)
仕方ないけど、服好きとしては生地には不満あり!
デザインが「いつものユニクロ」
ユニクロのアウターは「多くの人が着用できるシンプルなもの」を目指している。
例えば、雨の日用のアウター「ブロックテックパーカ」もかなりシンプル・ミニマルな見た目だ。
ブロックテックパーカは一般的には「ユニクロっぽい」と思われるデザインである。
無機質な印象を与える。(着ると過去からの進化が分かるのだが)
ハイブリッドダウンパーカも、米軍のECWCSを元にかなりシンプルに服がデザインされている。
ホワイトマウンテニアリング的なデザインを新作から取り入れてはいるが、まだまだシンプル・ミニマルである。
ユニクロっぽさは消えていない。
ギミックを追加したデザインの方がウケていることを踏まえれば、ハイブリッドダウンパーカはシンプルにこだわり過ぎない方が良いのではと思ってしまう。
こうしたら良くなる!ハイブリッドダウンパーカ!
ここからは、私だったら「ハイブリッドダウンパーカをこうやって改造したい」という点を考える。
スナップボタンをポケット表面に出す
ハイブリッドダウンパーカの2つのポケット前面(見える位置)にスナップボタンがあったら良いなと思う。
ポケットの中央に1つだ。
ボタンをポケット表面に付けるだけでも、かなり有機的な印象になるのではなかろうか。
しかし、これくらいはユニクロの優秀なデザイナーがとっくに考えている気がする。
ポケットをステッチでパイピング風にする
ポケットの縁にステッチを入れてパイピング仕様にしたい。
数少ないデザインであるポケットを強調するためだ。
コスト増になるが、私はギミックが多い方が好きだ。
腕にECWCS風の収納を付ける
ハイブリッドダウンパーカのデザインソースとなったであろう米軍のECWCS(極寒冷気候衣料)には、袖に収納のポケットが付いている。
この腕のポケットのデザインを、ハイブリッドダウンパーカにおいても復活させたい。
これを復活させると、ビジネスシーンで着にくくなるだろう。
フードもECWCSのデザインにする
ハイブリッドダウンパーカの過去のフードは、フードの先に庇(ひさし)が付いたようなデザインだった。
これも米軍のECWCS由来のデザインだろう。
あまり評判が良くないディティールだ。
オリジナルのECWCSのフードはかっこ良いので、上手く取り入れればこのデザインもプラスになる。
ハイブリッドダウンパーカ(3dカット)、まとめ!
ほとんどの地域で快適に過ごせる暖かさと、スタイリッシュな外観を持つハイブリッドダウンパーカ。
毎年進化を重ねており、とどまることを知らない。
ライバル企業の製品を見ても、ハイブリッドダウンパーカに並ぶものは存在しない。
安価な冬のダウンの最適解と言って間違い無いだろう。
値上げによって、米軍のECWCSのレプリカと価格が変わらなくなってきたのはちょっと心配である。
この記事は以上です!
読んで頂き、有難うございました!
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