睡眠学者「柳沢 正史」氏による最新の睡眠研究が話題になっている。
「寝過ぎは良くない」という過去の常識が覆されており、勉強になる内容だ。
様々な動画で柳沢 正史氏が解説している情報をこの記事に要約した。
単なるキュレーション(まとめ)記事では情報の劣化コピーになり意味がないため、「最新の研究結果を踏まえて具体的にどうすべきなのか」にフォーカスして紹介する。
寝過ぎは存在しない
ひと昔前は「寝過ぎは体に良くない」「7時間が良い」という考えが正しいとされてきた。
どうやらこれは間違いらしい。
眠れる限界まで眠った方が良く、人は必要以上に寝ることはできない。
何時間がベストかは、各個人による。
(4日間、「邪魔されずに最長で寝る」を続けると、ベストの睡眠時間が分かる)
休日に10時間など寝てしまうのは、「普段の睡眠が足りていない」からだ。
統計上で10時間寝られる元々睡眠に問題がある人に対して、「そんなに寝るのは身体に悪い」と言われていたようである。
たとえば、睡眠時間8時間が必要なのに、アラームで7時間で起きてしまうというのは悪い習慣である。
わざわざ睡眠を途中で妨げる必要はない。
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最大まで寝てもOK!
9時間以上寝るのは「遺伝的な疾患」
柳沢正史氏は8時間半以上、9時間や10時間寝てしまうのは遺伝的な疾患があるからだと述べている。
普通の人は、睡眠負債がなければ最長8時間半の睡眠時間で落ち着くようだ。
実は、様々な研究結果が存在するため、「寝すぎはない」が100%正しいとはまだ言えないかもしれない。
だが、我々のような一般人は睡眠不足の人が多いので、「寝すぎ」はほとんど気にしなくて良いだろう。
「寝過ぎは良くない」という説を信じてしまった結果、「ベッドにいる時間が7時間」で「実際の睡眠時間は6時間半」のような人はとても多いと思う。
睡眠は「質」も「時間」も大事
ひと昔前の研究では「ゴールデンタイムの睡眠が大事」「入眠後の最初の深い眠りが重要」と言われていた。
どうやらこれも間違いらしい。
「過去に[浅い眠り]と言われていたレム睡眠も回復のために重要」で「長さも必要」である。
睡眠は「質」も「時間」も重要。
本来8時間必要な睡眠を6時間で済ますことはできない。
「寝落ち」は睡眠の質が低い
勉強中や読書・ゲーム中などに眠ってしまう「寝落ち」は睡眠の質が低い。
寝る準備をしていない状態で寝るからだ。
新幹線やバスなどで頭を揺られながら寝るのはほとんど睡眠としての効果・恩恵がないようである。
寝る際は、枕やマットレスで身体の重さが支えられた状態が必要だ。
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移動中は寝ないようにするわ!
最新の睡眠研究を踏まえて、何をするか
ここまで、最新の睡眠研究の結果を借用した。
ここからは、「睡眠に対してどうすべきか」のアクションプランをまとめる。
目覚ましを使わずに起きたい
睡眠に対する研究結果を踏まえると、「目覚ましを使わずに起きる」ようにしたい。
この目的は、以下のとおり。
- 可能な限り長く寝る
- 音を使わずに起きる
睡眠を改善したいのなら、寝られる最長の時間で寝た方が良い。
睡眠負債が溜まっている人は、最初のうちは9〜10時間寝てしまうかもしれない。
しかし、最長の睡眠を繰り返すうちに科学的に適切と言われる7〜8時間に収束していく人が多いのではと思う。
アラーム音で無理やり起きるのも、睡眠にとってはよろしくない。
「光」→「振動」→「音」の順番が望ましいと考えている。
振動はスマートウォッチなどを指す。
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なるべく光で起きる!
私はフィリップスのスマート電球を使い、目覚まし代わりにしている。
パナソニックの電球はアプリがうまく動作しなかったが、フィリップスで不満を感じたことはない。
夜に「やるべきこと」を詰め込まない
最長の睡眠時間を確保するために、夜は余裕を持って過ごしたい。
「気が付いたら寝る時間を削っていた」はNGだ。
夜に多くのタスク・ToDoを入れすぎていた人は、朝に作業するように振り分けるべきかもしれない。
「1日にやるべきだったことを全然やっていない!」と夜に思うのは避けたい。
バタバタしてしまい、交感神経が優位になる。
(興奮して目が冴える)
休日は「まだ時間があるわ!」とつい思ってしまう。
しかし、暗くなる前に作業を終わらせることが大事だ。
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休日の昼間は怠けがちだわさ!
私もブログなどのPC作業を22時や23時までやっていたことがあるが、睡眠の面では最悪だったと思う。
私の実感では、睡眠のためには「遅くて20時半、できれば20時」にはパソコン作業は切り上げたい。
クロノタイプのせいで、早く寝られない
ここまで書いてきた以下の行動ができれば、睡眠の質は改善する。
- 睡眠時間を最大まで確保する(人によって変わる)
- 夜遅くまで覚醒する活動をしない
- 朝活をする
ただし、問題はそんなに簡単ではない。
生まれ持ったクロノタイプによって、「何時に寝るべきか」は分かれる。
クロノタイプは遺伝で設定された適切な入眠・起床時間の特性のことを指す。
朝活したくても出来ない・向いていない人がいる。
「22時に寝て、6時前に起きる」は、人によってはとても難しいことだ。
勤務先の出社や始業時間で起きる時間が決まっている人は、妥協するしかない。
年齢を重ねても、睡眠時間は短くならない
「年齢を重ねると、睡眠時間は短くなる」という考え方があるが、間違いである。
パレオな男ー「睡眠不足でどこまで脳は衰えるか?」を10,886人で調べたら何が分かったか?
(リンク先で「1日7~8時間の睡眠」が脳を健やかに保つスイートスポットと書かれているが、この部分の研究は古いのではと思う)
正しくは、歳を取っても2~3時間も睡眠時間が短くなることはない。
高齢になったとしても7時間は眠る必要がある。
ただし、高齢になるとクロノタイプが変わり、早寝・早起きになる。
「22時に寝て、6時前に起きる」リズムは高齢の人には向いているようだ。
(若者は夜型)
ここで言いたいのは「睡眠時間が短いのは、年齢のせいにはできない」ということ。
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暗いうちに起きてしまうのを、歳のせいにしてたわ…
早く起きてしまうのは「悪い癖」
人によっては、それほど高齢でないのに早起きしてしまう人もいる。
私がそうなのだが、23時に寝ても5時に目が覚めてしまうことがあった。
睡眠時間は6時間未満、明らかに足りない。
これは、以下の理由で早く起きているだけと思われる。
(学者・医者でないので、推測だ)
- 仕事のプレッシャー(遅刻しないように)
- 繰り返しによる、悪い生活習慣の定着
- 自律神経の乱れ
睡眠時間が短い人の「望まない早起き」はかなりまずい状態だと思う。
睡眠の質が特に良い人は時間が短くても良いようだが、ほとんどの人はそうではない。
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悪い癖は、早めに直すべき!
「寝溜め・二度寝・昼寝」はどうすべき?
睡眠に関するトピックスとして、以下の3点はどうすべきか、疑問がある。
- 寝溜め
- 二度寝
- 昼寝
これも、常識とは異なる方法が正しいという結論が出ている。
具体的にどうすべきかをまとめる。
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知らないと、逆のことをしちゃう!
寝溜めはした方がいい
常識として「寝溜めはできない」と言われている。
「寝溜めはできない」は科学的に正しい。
「休日の寝溜めは睡眠のリズムが崩れるから、いつもと同じに起きる」は間違い。
睡眠負債を「寝溜め」で解消するのは「あり」である。
「眠い」と感じるなら、寝てよいのだ。
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寝不足は放置しない!でも、普段から寝るのが1番!
私は「平日に早く目が覚めてしまう人」であり、最近は「休日でも早く起きてしまう」。
この望まない「ずっと早起き」状態はかなりまずいと思っている。
「早く起きる悪い癖」を付けないようにするために、休日ぐらいは最長で寝るようにしたい。
寝溜め反対派の「休日に寝すぎて、リズムが崩れる」という指摘も一理ある。
だが、「休日に9~10時間寝た」としても、朝日を浴びて日中を活動的に過ごし、夜にリラックスすれば「眠れない」ことはないと感じている。
昼寝は「あり」だが、時間に注意で、そもそもは必要なし!
パワーナップと呼ばれる「昼寝」の有効性が話題になっている。
しかし、夜の睡眠が適切に取れている人にとっては昼寝は不要なものらしい。
(5歳以上は昼寝不要)
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ほんとうは昼寝はいらないのね。
とはいえ、私達現代人は完璧な睡眠習慣を身に付けているわけではない。
お昼ごはんの後は眠くなる。
その場合、20分だけ昼寝する。
ここで、私の睡眠に関する測定結果を見て欲しい。
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「最も深いノンレム睡眠」が睡眠の20分後には発生している。
この状態から起きるのは、とても気分が悪い。
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20分以上昼寝すると、2〜3時間寝ちゃうわ…
20分以上経過した昼寝からすっきりと作業に戻るのは無理だ。
というか、起きること自体に鉄の意志力が必要になる。
ほとんどの人はアラームを止めて再び眠ってしまうだろう。
深い睡眠を経由した眠りはもはや昼寝ではないので、夜の睡眠の質を下げる。
結論として「20分以内の昼寝は有益だが、それが守れないなら昼寝しない」ことだ。
思っているより、昼寝はムズい。
理想の昼寝は以下のとおり。
- 午後2時までに済ませる
- 第2層の深さが数分間続くこと
- 第3層の深い睡眠には入らない
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20分よりも、15分の方が安全かも
二度寝は「あり」だが、定義により判定は分かれる
「二度寝」はまだ眠いから寝るという自然な行動なので、「あり」である。
ただし、いくつか注意点がある。
まず、「2度寝」の定義を以下の2つとする。
- アラームなしで途中で起きたので、もう1度寝る
- アラームで起きたが、もう少し寝たいから、引き伸ばして寝る
1つ目の「アラームなしで早く起きたため、寝る」は、全面的に正しい。
「睡眠の途中で起きて、また寝る」は自然なことだ。
「夜中にトイレに起きて、また寝る」のも同じこと。
「起きちゃった!」と罪悪感を感じすぎないようにしたい。
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歳を重ねて、寝るのが下手になるのはしゃーなし!
2つ目「アラームで起きたが、もう少し寝たいから引き伸ばして寝る」は注意点がある。
少しなら良いかもしれないが、30分〜1時間引き伸ばすなら最初から長く寝た方が良い。
昼寝と同じく、20分以上の二度寝で深いノンレム睡眠が発動するケースにも注意だ。
基本的に、アラームやスヌーズを使って二度寝はしない方が良い。
翌日に早起きする際は「睡眠時間を削る」
「普段7時に起きている人が、5時に起きなければならない」としよう。
普段24時に寝ているとしたら、逆算して22時に寝れば良いと考えてしまうが、間違い。
この場合、「睡眠時間を削って普段通りの時間に寝る」のが正しいようだ。
睡眠の4〜2時間前は、睡眠禁止時間帯と呼ばれ「最も眠りにくい」時間帯である。
24時に寝ている人であれば20〜22時は寝付きにくい。
この時間帯に無理に眠ろうとすると、寝れないので「入眠しにくくなる癖」が付いてしまう。
早起きする場合は、諦めて睡眠時間を削ろう。
睡眠時間自体は減るが、入眠には困らない。
睡眠禁止時間帯に関連するおすすめは「眠れない2時間の終わり頃にお風呂に入る」こと。
実際は、「今が睡眠禁止時間帯にいるのかどうか」は分からない。
「あくびが繰り返し出る眠い状態」でお風呂に入るのは、タイミングの調整が失敗しているかもしれない。
(各個人の体質によるのだが)
筆者も仕事でまれに「晩ごはんを食べたらすぐ寝る」のような鬼の勤務体制の日がある。
この場合は徹夜を覚悟して開き直り、翌日に死ぬほど寝る。
(本来、寝る・起きる時間は一定が良いとのこと)
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シフトワーカーの人は、本当にキツいですよ…
30分のサイレントタイムは睡眠に良さそう
最近試してみて効果を感じた、睡眠に良い習慣を紹介する。
サイレントタイムと呼ばれており、ただ部屋を暗くしてぼーっとするだけだ。
就寝時間が近付いたら、部屋を真っ暗にして30分のサイレントタイムを取るのが有効と言われている。
目的は以下のとおり。(同じことを3つ書いている)
- 脳の回転数を落とす
- リラックスする
- 副交感神経を優位にする
「脳を落ち着かせるには時間がかかる」という感覚は腑に落ちるものであるし、実際に寝付きが良くなることを実感している。
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ぼーっとするって、大事!
サイレントタイムは「瞑想」とは異なるもので、意図的に思考を止めようという意識はない。
ブログや趣味のことなど、アイデアが湧いてくることも多い。
ここで思いついたことはスマホにメモする。
(ブルーライトは気にしない)
「思考を止められないタイプ」の人は、頭の中で思ったことを書き出してしまうと良く眠れるようになる。
あくびが2~3回出たのを合図にして、サイレントタイムを切り上げて寝るようにしている。
睡眠に対して、気にしすぎは避ける
「睡眠不足」は確かに悪いことである。
だが、「老化」によって若い頃ほど上手く眠れないのは仕方ない。
(前述したように、必要な睡眠時間はあまり減らない)
「眠れない、眠れない」と思っていると、悪い自己暗示のようになってしまう。
(悪い効果がブーストされる)
やるべきことをやったとしてもうまく眠れないということはあり得る。
悪い夢で途中で目覚めたり、など。
「まあ、こんな日もあるか!」と諦めることも大事だ。
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眠れなかったから「何も出来ない」ってのも違うわな。
「寝付けない人」は弱者なのか?
私は物音に敏感で神経質なタイプで、寝付きが悪く、すぐ起きてしまう。
自分と同じ神経質な人を励まして、この記事を終わりにする。
「どこでもすぐに寝られる」はとても優れた特性だと思う。
生き物として強い。
ただ、「どこでもすぐに寝られる」ことと、「睡眠不足が溜まっていてすぐに寝落ちしてしまう」ことは区別すべきだ。
この2つを混同している人も多い。
「質の良い睡眠」には準備が必要である。
直前までゲームをしたりスマホをいじった状態で寝落ちすると、睡眠の質は下がる。
このような睡眠の質が悪い状態で「私は8時間寝ている」と自信を持ってもあまり意味がない。
「寝付きが悪い」「神経質ですぐ起きる」は睡眠にとって良いことではないが、「身体の反応によって行動の良し悪しが分かりやすい」という意味ではプラスに考えることもできる。
神経質な人が「睡眠の質が上がる努力」を積み上げることで、才能を上回る状態を目指せる。
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配られたカードで勝負じゃ!
真面目で力みがちな人には、力が抜けて寝付きが良くなるカモミールティーをおすすめする。
2〜3年継続して飲んでいるが、メラトニンのサプリよりも効果を感じている。
(この書き方は薬機法的にはアウト!)
皆様の睡眠がより良いものであることを、心より願っている。
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この記事は以上です!
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