「私は最強」Mrs. GREEN APPLE大森元貴さんが歌うバージョンの感想!

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【Ado】私は最強
アヒル

「私は最強」Adoさんと大森元貴さんの違いは?

カエル

「明るい表現」と「顔の表情」!
歌手にはどちらも大事!

焼き鳥屋で食事をしていたら、「私は最強」が流れていた。
たぶんSpotifyである。

Mrs. GREEN APPLEの大森元貴さんが歌っていて驚いた。

私はワンピースの映画は観ておらず、「私は最強」はAdoさんが歌っているバージョンしか知らなかった。
「大森元貴さん」含む、複数の作曲家が楽曲提供した企画だというのもその時初めて知った。

居酒屋のへなちょこスピーカーの音質でも、明らかに表現力がある。
めちゃめちゃ惹きつけられる。

この記事では、以下の内容について語る。

  • 大森元貴さんバージョンの「私は最強」がなぜ魅力的なのか
  • 大森元貴さんの作曲家・歌手としての強み
  • Adoさんバージョンが物足りなかった理由
この記事でわかること

大森元貴さんの「私は最強」は表情が違う(色んな意味で)

大森元貴さんの「私は最強」に惹きつけられた理由は、「声の表情の豊かさ」である。
歌声の表情の豊かさをもたらしたのは、以下の2点である。

  • 曲が表現する世界観・メッセージに没入している(役に入り切る)
  • 物理的に顔の表情が豊か

伝えたいメッセージや場面を想像し、気持ちと共に顔の表情が変わることで声も変化する。
物理的に声の成分・倍音が変わる)

人間は声で他人に思いを伝える生き物である。
表情を作ることで、初めて声に感情が宿る。

無表情のままでは、どれだけ頑張って歌ったとしても感情的な声になることはない。

明るい声を出したいと思ったら、明るい表情(例えば、笑顔)を作らなければいけない。
暗い声を出したいと思えば、その逆で暗い表情を作る必要がある。

大森元貴さんは、この表情を作って歌う技術が抜群に上手いのではないかと想像する。

カエル

カエルはナレーションのトレーニングで「表情と声の関係」を教わりました!

「私は最強」については、曲自体はものすごく難しい。
しかし、大森元貴さんは必要な場面で「明るい表情・自信がある表情」をキープして歌い切っている。

役者・歌手は気持ちと顔を作ってなんぼ

俳優が「役に入り込む」ことが重要なのは分かるだろう。
歌手も同じである。
世界観に入り込んで、顔の表情を作って歌わなければ、録音に気持ちが乗らない。
(声の音色そのものが変わる)

カエル

大森元貴さんの没入っぷりは深い!
だから、感動しちゃう!

「この歌手、顔で歌いすぎ!」という批判を見たことがある。
この批判は的外れで、表現する人達の足を引っ張りかねない。
(感情に溺れすぎは良くないが)

例として、声優の振る舞いが独特なのは、役に入り込んだり、表情を作るトレーニングをひたすら繰り返しているため、日常でもその影響が出てしまっているからだと推察している。
アレぐらい大袈裟にやらないと、「声」だけで感情は伝えられない。

大森元貴さんは歌手・作曲家の両方で表現に特化している

大森元貴さんは作曲ネイティブ

大森元貴さんは、小学校の頃からベースを弾き、オリジナルの楽曲を作っていた。
曲を通して気持ちを表現をすることに関して、ネイティブと言えるのではなかろうか。

カエル

日常が作曲だったはず・・・

Mrs. GREEN APPLEの楽曲を聴くと、日常から非日常までの全てを曲に乗せているような印象を受ける。
良い意味で他人が「取るに足らない」と思うことまで、曲にできてしまう。

私の勝手な予想。
大森元貴さんは、「満員電車で足を踏まれた」とか、「スーパーで買った野菜が美味しかった」とかで1曲書けてしまうのではという気がする。

それは言い過ぎかもしれないが、些細なテーマで曲が書けることで、大きなテーマを取り扱った際の表情付けもより細やかなものになる。

曲を聴いていて、歌詞のメッセージとメロディの音型がマッチしている印象も強い。

「歌詞と音型」がマッチしているというのは、400〜500年以上前の音楽から使われてきた手法である。
クラシック音楽では、キリスト教における「悩み」「苦難」「昇天」を音型で表してきた。
大森元貴さんも、現代において似たことを無意識にやっているかもしれない。

大森元貴さん本人が「伝えたいこと」を強調して歌う

作曲家と歌手が別々にいる場合、伝えたいメッセージが乖離してしまうかもしれない。
だが、大森元貴さんはその両方をこなす。

単純に「歌が上手い人」「良い曲をつくる人」は沢山いる。
しかし、曲・歌詞が持つメッセージを最大限に引き出す「作曲家かつ歌手」としては大森元貴さんはトップクラスである。
「伝えたいこと」が最優先になっているというのが、重要であり、エモいのだ。

大森元貴さんの歌を聴くと、以下の凡庸な歌手違和感を覚える理由が分ってしまう。

  • 歌が上手い(だけ)
  • 声が良い(だけ)
  • 音域が広い(だけ)
  • 表現の幅が広くても、歌詞のメッセージとマッチしていない

曲に問題はなし、Adoさんの「明るい音色」が足りない

以下、ネット上の記事を引用する。
あんまり気分の良い記事ではないので、注意。

「私は最強」はアニメ映画『ONE PIECE FILM RED』の劇中歌。
同作でAdoは歌姫・ウタの歌唱キャストを担当しており、劇中ではAdoがウタとして同曲を歌唱する。
作詞作曲は『Mrs. GREEN APPLE』の大森元貴が担当。ウタを意識しながらも、「Mrs. GREEN APPLE」や「ONE PIECE」の要素を取り入れた楽曲に仕上げたという。

同日から配信リリースされるということで、Adoも自身のツイッターにて《爽快感溢れる追い風のようなウタの歌、是非たくさん聴いてください!!》と告知。
リプライ欄には、楽曲を聞いたファンから絶賛の声が寄せられていた。

『Mrs. GREEN APPLE』はアーティストの個性を殺す?
しかし一部の人からは、

《ミセスとAdoの相性悪すぎるやろ》
《Adoの新曲がミセスすぎる…。いくら提供でも自分達の音楽、他人に押し付けんやろ》
《Adoなんだけど…間違いなくAdoなんだけど青リンゴの主張が強い…炎炎の消防隊? ってなる》
《思った以上にミセス感強かったな…》
《ミセスが作った曲ってミセスらしいよね。Adoさん歌ってたけど、やっぱミセスめちゃくちゃ感じる》

といった苦言も見受けられた。また、Adoの歌唱に違和感を抱く人も少なくないようで、

《大森元貴!ミセス!って感じの爽やかさで本当に最高だけど、普通にAdoであってウタちゃんじゃない…まだ馴染めない…これ一生馴染めない…》
《ウタの新曲聞いてみたけど、やっぱり…って感じ。Adoとしてなら好きになれたんだろうけど、ウタっていうイメージが入ってくると一気に幻滅する》

などの意見も上がっている。

「Adoが歌唱しているにもかかわらず、『Mrs. GREEN APPLE』の楽曲のように聴こえるのはコード進行が原因でしょう。Adoの楽曲はどちらかというとマイナーキーが多いのですが、『私は最強』は『Mrs.GREEN APPLE』の楽曲で多用されているメジャー進行。そのためAdoが歌唱していても、『Mrs.GREEN APPLE』が脳裏にちらつくのかもしれません」(音楽ライター)

「Mrs.GREEN APPLE」は、これまでに『Kis-My-Ft2』などにも楽曲を提供している。いずれも「Mrs.GREEN APPLE」らしさが拭えないという指摘が上がっているので、彼らが提供した楽曲はそういうものだと思って聴くしかないのかもしれない。

まいじつより引用

これに関して、私の意見を書く。

私は楽曲提供の大森元貴さん側には、全く問題はないと考えている。
実際にAdoさんは技術的には問題なく「私は最強」を歌えている訳である。

ここで指摘されている点については、Adoさん側の表現のパレットが偏っていたことが原因である。
このキャラクターの悩みや葛藤に関しては、Adoさんのダークな表現はとても合っている。
(映画は観てないのだが)
曲自体は明るいが、PVはニュアンスのあるパープルが多く、常にどこかに影を落とす。

【Ado】私は最強
めちゃめちゃ不安がある顔

だが、Adoさんバージョンは「自信・奔放さ・明るさ」の表現においては、少し物足りない。

大森元貴さんバージョンの方が明るい部分がはっきりと明るいため、表現のコントラストが強い。
Adoさんも明るさを表現しようとしているとは思うが、録音では録り切れていない。

作曲家側としたら、自分が男性であれば、女性ならもっと軽く(鈍くならず)明るく歌い上げてくれることを期待するだろう。

この曲自体ははかなり難易度が高い。
スポーツに例えるなら「大森元貴さん側のパスが強かった・トリッキーだったため、Adoさん側で受け取り損ねた」部分があると思う。

カエル

曲がAdoさんの個性に合っていないのは分かるけど、20歳ならまだまだ歌の表現は広がるはず!

手癖が嫌なら、AIで良いじゃない

楽曲に「Mrs.GREEN APPLE」の特徴が出過ぎているという批判がある。
これは、作曲家が同じなのだから当然である。

人が魂をこめてやったことは、作った人の「らしさ」が出る。
作曲という音を並べるだけの行為であっても、だ。

その人らしいと感じさせる癖があることで、人間味を感じ、聴く人の心が動くのだ。
それが嫌なら、AIに作曲させれば良いだろう。

「Mrs.GREEN APPLE」らしくなってしまって、Adoさんが出ていないと言うのであれば、歌う側が消化しきれなかった・飲まれてしまった結果である。
(Adoさんも全然悪くないのだが)

記事を書いた音楽ライターは素人(だめ)

記事の中で音楽ライターが「メジャー進行」の話をしている。
これは恐らく音楽の知識がほとんどないライターが書いており、無視してかまわない。

「私は最強」は、一部に転調や借用和音はあるが、ごく普通のコード進行が骨格となっている。

このコード進行が原因でAdoさんに合っていないというのであれば、「メジャー進行の曲をAdoさんが歌えない」ということになってしまう。
そんなことはあるワケがない。

「ごく普通のコード進行」=「Mrs.GREEN APPLEらしさ」というのも、おかしい主張である。
私がこの曲に感じる「Mrs.GREEN APPLEらしさ」は以下の通り。

  • アウフタクトからのメロディの跳躍
    (「踊↑ーり子↑ーみたいでさ」「火を↑ー灯ー↑す準備は出来てるの」など。インフェルノの「風↑ー船↑ーもいつかは萎↑ーむか割れる」、青と夏の「友だ↑ーちの嘘も、転が↑ーされる愛も」)
  • Fコード(サブドミナント、Ⅳの和音)のノスタルジーさ、メロディの落とし方
  • サビの迎え方、サビ前の盛り上げ方
  • シンコペーションの使い方
  • 場面転換のコントラストの大きさ

「私は最強」はMrs.GREEN APPLEらしさを意識して作られた

映画「ONE PIECE FILM RED」は、複数のアーティストが楽曲を提供するプロジェクトであった。

大森元貴さん自身も、何名かのアーティストが参加するなら、自分たちが楽曲提供する意味が必要だと考えたようだ。
「私は最強」はMrs.GREEN APPLEらしさを意識して作曲したというコメントがある。
(ソースを載せたいが、ページが見つからない)

また、曲のタイトルに関しても「私が最強」から「私は最強」に変更したという話がある。
このタイトル変更は「尾田栄一郎先生」から「大森元貴さん」への変更を感じさせる。

曲全体を通じて底抜けに明るい曲にはできなかったところが大森元貴さんらしい。

――長年温めてきた夢がついに叶った喜びと同時に不安も感じながら、劇中歌「私は最強」はどのように作られていったのですか?

大森:まず打ち合わせで、監督から「物語の序盤で、ウタの初の戦闘シーンで流れる曲。不穏な空気ではなく、明るい雰囲気」という説明を受けて。さらに、いただいた脚本には仮タイトルがすでについていて。それが、「私が最強」だったんです。こんなパワーワードから作るなんて初の試みで。

若井:たしかにね(笑)。

大森:ただ、とんでもなく自己肯定感の強い曲になってしまうとまた違うんだろうなと思い、“あなたといて私は最強でいられる”というふうに落とし込みました。

――だから最後のフレーズは“アナタと最強”なんですね。仮タイトルの「私が最強」から「私は最強」に変えたのはどんな理由が?

大森:ウタはそんなに強い子ではなく、自分の夢や欲の中で溺れそうになりながら、強くあろうと鼓舞している感じがして。それを表現しようと思ったときに、“が”を“は”にしたら、自分に言い聞かせてる感じが出るのかなと。それに、尾田先生に試されてるところもあるのかなと思ったんですよね。「私が最強」のままで作ったら、僕は負けた気分になるなと思って(笑)。

anan newsより引用

天才は幻想、修正を重ねて成長する

アーティスト(芸術家)は、「完璧」「天才」ではない。
失敗を経験して、修正して前に進む。

私はクラシック音楽のレッスンを受けていた頃、先生に質問したことがある。
「作曲家は、書き直しや修正なしで曲を書き上げるのですか?」
それに対して、先生は回答してくれた。
「それは、ロマン派以降に超絶技巧の天才演奏家が登場したことで生まれた幻想です。昔の作曲家は職人で、修正を重ねて優れた作品を作っていました。」

教科書に載っている偉人だって、自分の楽曲を何度も書き直した。
天才と言われる人たちも、自分の作品を疑い、納得できるまで修正する。

Adoさんは、「私は最強」をレコーディングした時点で19歳もしくは20歳である。
伸びしろありまくりの年齢だ。

Adoさんは自分の歌へのリアクションが面白いため、切り抜かれることが多い。
私はこれを観て「やっぱり凄いな!」と思っている。

Adoさんの「自分の歌の否定」は、表現に対する理想の高さによるものだろう。
中途半端な完成度では満足できないのだ。

若くして成功すると、色んな意見を言われてとても辛いと思う。
ネット上に記録が全て残ってしまうめんどうな時代だ。

Adoさんが「自分への厳しい目線・高い理想」を持っている限り、歌の完成度は高まり続ける。
今後リリースされる楽曲がますます楽しみである。

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カエル

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